自分文化

すきなことの寄せ集め。少年よ大志を抱け。

灰色の30分間

今週のお題「遠くへ行きたい」

 

 

 

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 磯の香が潮風と共にそよいで私の背中を押し、素敵な世界へと連れて行ってくれた。しとしとと静かに雨が降り注ぐ中、何処へ続いていくかもわからないくねくねとした細道を自分の心の赴くままに歩いていく。冒険心と好奇心が掻き立てられる。右側には石畳、左側には崖。その下には民家があり一歩間違えたら大惨事。その先を抜けると、階段があり登れば緑のトンネルが現れる。トンネルを潜り抜ければ木造建築で趣のある古い立派な民家に挟まれた細道が現れる。目の前を猫がてくてくと横切っていくので、後をついて行ってみる。登ったり降りたり。風で葉がこすれる音や遠くから船の汽笛が聞こえる。そうこうしているうちに新緑に囲まれた一件のカフェを見つけた。中へ入り、眺めのよさそうな二階の席に腰を掛け、ハーブティーを飲みながらほっと一息。湿気でくるくるになった髪を気にしつつ、外を眺めてみれば木々に縁取られた漁港らしきものが垣間見えた。海は灰色の空と混じり合い境界線がなくなっている。それでも、海がそこに存在することはわかる。雨は降りやまず、時間はゆっくりと流れていく。あの灰色のビルに囲まれた世界で感じる30分間とは違う。どことなく、晴れやかな灰色の30分間だった。

 

 

 

 写真は漁港を撮影したんですが、フィルムカメラに不慣れなもので白飛びまくっています。初心者のためお許しください。

 

 

 素敵な出会いをさせてくれた尾道。まだまだ発見がありそうな予感。

また行きたいですね。